お盆とお正月は、いつも紗羽ちゃんが泊まりに来てくれるって言っていた。



「はやと、くん」



そんなことを考えていると、横から蒼太が話し掛けてきた。



「蒼太、何だ?」


「またいっしょにおふろにはいってくれる?」


「もちろん入るぞ!」


「ほんと!?」


「おー、また一緒に入ろうな」


「うん!」



蒼太の笑顔が見れて良かった。



「じゃあ、俺仕事中だから」


「うん、あたしは明後日から出勤だよ」


「知ってる」



もちろんチェック済みだ。


そのまま絢華ちゃんのもとを離れたけれど……


正直、胸中は複雑だった。


あれは誰なんだ?


まさか……


絢華ちゃんは、あの男のことが気になってんのか?


調理場へ入る手前で振り返って見ると……



「……」



絢華ちゃんはどうかわからねぇけど、あの男……


ぜってぇに絢華ちゃんのことが好きだ。


あの絢華ちゃんを見つめる目。


俺だって絢華ちゃんのことが好きなんだ。


そういう勘は必要以上に働く。


やべぇな。


今までで一番危機を感じた――…