For 10 years

「あたしの心の中は、今でも優太でいっぱいだけど、子供達との思い出が増えるたびに、優太との思い出が色褪せていくの。少しずつ優太との時間が薄れていくのが寂しいし、怖い」



そう言う絢華ちゃんを見て、今でも、もしかしたらこれからも、優太くんのことしか考えられないのかもしれないと、胸が痛くなった。



「ママ、なんでないてるの?」



蒼太がそう言うと、絢華ちゃんはすぐに涙を拭いた。



「何でもないよ。そろそろケーキ食べようか?」


「うん!」



ケーキを出して、ろうそくを三本たてた。


みんなでハッピーバースデーの歌を歌って、優華がふぅーっとろうそくの火を吹き消した。



「優華、おめでとう」



そう言って、絢華ちゃんが優華にプレゼントを渡した。



「ママ、ありがとう」



絢華ちゃんが渡し終えたのを見て、すぐに俺も声をかける。



「優華、俺からもあるぞ」


「はやとくんも?」


「ん、はいこれ。優華、誕生日おめでとう」


「はやとくん、ありがとう」