For 10 years

「泣いてる」



絢華ちゃんは慌てた顔になり、自分の手で頬を触った。



「やだっ、あたし、何で……」


「大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ」



そう言って涙を拭ったけれど……


きっと、優太くんのことを思い出していたんだろう。






誕生日パーティが始まって、みんなでワイワイ食べていると、玄関のインターホンがなった。


やってきたのは、進藤さんと奥さんの伶奈(レイナ)ちゃん。



「優華ちゃん、お誕生日おめでとう!」



そう言って、伶奈ちゃんが優華にプレゼントを渡した。



「ありがとー。あけてもいい?」


「どうぞ」



優華は手際悪く包装紙を破いていく。



「あー、クマさんだ!わぁーい、ありがとう」



入っていたものは、大きなクマのぬいぐるみだった。



「店長、伶奈ちゃん、ありがとう」


「蒼太くんも優華ちゃんも凄く大きくなったね。ビックリしちゃった」



進藤さんや俺は、蒼太や優華とよく顔をあわせるけど、伶奈ちゃんはなかなか会えないらしい。