「やめてよ、父さん」 しかし美波はその手を振り払った。 けれども本気で嫌がっているわけではなく 未だに小学校低学年のような扱いをされることが恥ずかしかったのだろう。 美波家は、どこにでもあるような 温かい幸せに包まれている家庭だった。