頭のなかで、自分がハリセンで霊を叩いている光景を想像する。
…まるで漫才のようだ。
「なんでハリセンなんだよ」
「これにしか私の力が宿ってないからの」
そう言うと縁は、そんなとこによく隠せてたものだと感心するほど大きなハリセンを背中から取り出した。
「それともなんじゃ」
縁はニヤリと笑う。
「刀で斬るとか、魔法陣で囲むとかいう方が良かったのか?全くお前は中2病患者か」
「そんなんじゃない」
激しく首を振る美波。
「それより、何でお前はそんな言葉を知っている?」
服装や言葉遣いが古いので、とても現代っ子とは思えない。
「この前、美波と書店に入ったろう…そこでちとそのような書物を読んでな」
ライトノベルを読む霊なんて初めて聞いた。
