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縁(エン)が美波につきまとうようになって、3日が過ぎた。


さりとて変わったことがある訳でもなく、美波は普通に林蔵の家での生活をつづけていた。


強いていえばいつでも顔面包帯狐人間がつきまとっていることが変化だ。


家にいようとちょっと外出しようと、どこにでもついてくる。


美波と同じように霊が見える人間がいたらどうするのだ、と気にかかる。



が、縁は、その辺りを全く気にしていないように見える。


曰く、

「私のような上等な霊が簡単に姿を見せる訳なかろう」

とのこと。


そもそも縁が上等な霊なのかも疑問なのに。


今は夏休みで、学校が無いのが救いだ。


「早く学校という場所に行ってみたいのー。青春というものをみてみたい」

などとぼやくエンは殴り倒したい。