座席に深くもたれかかり、目を閉じる。 そのままだんだん、暗闇の中に吸い込まれて行くように────・・・・。 *** 「うわぁっ!」 そう叫びながら、目が覚めた。 額には、少しだけ汗が浮かんでいる。 「なんだ、どうした遥果。悪い夢でもみたか」 心配した父が尋ねてきた。 「うーん、多分…。思い出せないけど」 胸がムカムカする。 飛び起きてしまうほどの悪夢を見たはずなのに、内容を思い出せない。 一体、なんだったのだろう。 「ふぅ…。あとどのくらいで着く?」