「おはようございます。

昨晩はよく眠れましたか?」


「?!」

・・・

隆弘にとって、

本当に何気ない言葉だった。

でも、

私にとっては、

隆弘の一言一言が、

ハラハラしっぱなし・・・

・・・

「・・・どうかしましたか?」

隆弘は不思議そうに、

私の顔を見つめた。

「いえ・・なんでもありません」

・・・

私は何食わぬ顔でそう言った。

・・・

「昨晩の火事、

覚えてらっしゃいますか?」


「・・・え?・・あ。

警察署の…ですか?」


「ええ・・・

あれだけ火の手が上がったと言うのに、

警察署は無事だったんですよ・・・

私たちの情報が、どこからか、

漏れ出しているようで・・・」