・・・

しばらく抱き合っていたけど、

いつまでもこうしているわけにはいかない。

・・・

秀は、

さっきまでしていた変装を、

またして部屋を出ていこうとする。

・・・

「・・・秀」

私はまた泣きそうな顔になって、

秀の名を呼んだ。

・・・

すると秀は笑って言った。

「大丈夫。今は相馬の部下、

橋本 彬でここにいる・・・

しかも都合のいい事に、

琴美の身の回りの世話を頼まれた。

だから、いつもお前の傍にいる」


「…本当?」


私の言葉に優しく微笑んだ秀。

私を安心させるように、

優しく抱きしめた。

・・・

「どんな時も傍にいる。

だから、もう何も怖がることはない」

そう言った秀は、

私の頭にキスを落として、

部屋を出ていった。