両手で顔を覆い、

何も考えられなくなった。

・・・・

そんな時、

私の体を、

誰かが抱きかかえた。

・・・

暗くて、

顔は分からない・・・

・・・

きっと、

隆弘の手下に違いない・・・

・・・

だって、

理子の姿も、

もうどこにもないんですもの・・・

・・・

私に待ち受けているものは、

もう『死』しかない・・・

・・・

絶望の中・・・

その抱きかかえられたぬくもりだけが、

かすかに感じとれるだけだった。