屋敷に帰った私は、

部屋の中。

ベッドの中にもぐり、

声を殺して泣いていた。

・・・

秀が手渡した指輪を握りしめ、

いつまでも・・・


・・・

しばらくすると、

ドアをノックする音が聞こえてきた。

私はそれに応えることはない。

・・・

それでも静かに開いたドア。

・・・

一体誰が入ってきたのか・・・

…ビクッ。

誰かが布団に触れた。

・・・

「…理子です」

「・・・」

私は無言のまま、

布団をめくり起き上がった。

・・・

「辛い思いをされたのですね?」

「・・・なんで、知ってるの?」

私の言葉に、

苦笑いした理子。