「琴美を連れ去っておきながら、

よくそんな事が言えたな?

立派な誘拐だぞ?」


パパの言葉に、

隆弘がフッと笑う。

・・・

「誘拐なんてそんな・・・

琴美さんは自分の意志でここに来た。

そうですよね、琴美さん」

・・・

隆弘の威圧的な目線に、

黙っていう事を聞くしかなかった。

・・・

『言うことを聞かなかったら、

誠さんや、大河内がどうなっても知らない』

・・・

そう言ってる目だった。

・・・

私が頷くのを見たパパは、

愕然とする。

・・・

まさか、

私がいう事に従うとは、

思ってもいなかったようだ。