「そう簡単に捕まったりしませんよ」


「?!」



・・・また、

心を読まれた。



「琴美さんは、考えてる事が

顔に出過ぎですね?

これからは気を付けた方がいい。

私に気付かれると、困る事まで、

分かってしまいますよ」


そう言いながら笑った隆弘は、

部屋を出ていった。

・・・

理子も、

その後をついていこうとして、

それを止めた。

・・・

「理子さん」

「・・・なんでございますか?」


「私の身長に合うような、

杖を一つ用意していただけますか?」


「…杖、ですか?」

「ええ・・・

私足が悪くて、それがないと歩けないんです」

「・・・かしこまりました。

ご用意ができ次第、お持ちします」