すると・・・

これぞ、まさに奇跡・・・

・・・

うっすらと目を開けた父・・・

・・・

「…琴美」

オレは抱きつく琴美に声をかけた。

・・・

そして、

顔を上げた琴美は、

「パパ・・パパ・・」

そう言って何度も父を呼んだ。

・・・

琴美に気が付いた署長は、

片手で、

琴美を抱きしめる・・・

・・・

もう会えないと思っていた署長の目には、

涙が浮かんでいた。

・・・

「…署長」

オレの言葉に、

酸素マスクをずらした署長は、

「琴美を・・・

守ってくれ‥て。

ありがと・・」

そう言った。