「理子、そんなところで何してる?」

「え?!」

突然声を掛けられ、

目を見開いた私。

・・・

声の主は、隆弘。

隆弘は私に近寄り、

私の頬に触れた。

・・・

その行動に、

私の体がビクッとなった。


「顔色がすぐれないが、

何かあったのか?」

心配そうな顔で、

隆弘は私の顔を覗く。

・・・

「そんなことはありません。

隆弘様の気のせいですよ」


「・・・そうか。

そうだ、一つ用事を頼まれてくれないか?」


「…用事、ですか?」


「ああ・・・

これを、私が働いていた会社の社長に、

渡してもらいたい・・・

大事な物だから」