「今はただ、

琴美さんの命を守る事だけを

考えてください・・・

それが今大河内さんに課せられた使命です」



「わかりました・・・

また何かあれば、何でも言ってください」






・・・・



理子は頭を下げると、

部屋から出ていこうとした。




「…理子さん」

「なんですか?」





「…相馬への気持ちは?」

「仕事の私情を挟むことはできません。

私の任務は、相馬の悪事を暴き、

逮捕することですから・・・」

そう言って笑った理子は、

今にも泣き出しそうな目をしていた。