こんなひどい事って。

・・・

「奥さんや、子供は何の関係もない。

早く解放して」

私は涙ながらに訴えた。

・・・

「私の母も、

特殊捜査官の妻と言うだけで、

死んだのに・・・

関係ないと言うことはないでしょう?」

隆弘の顔は微笑んでいた。

・・・


「みんなを開放して・・・

お願いだから・・・

私を殺したいなら殺してよ・・・

皆を巻き込まないで」



「心配しなくても、

貴女ももうすぐ、秀のところに行けますよ。

その前に、貴女のお父様、

誠さんに少し痛い目に遭ってもらわなければ」


「・・・」

これ以上の言葉は何も見つからなかった。

・・・

この男の心は、

もう誰にも癒すことなどできない。