私の婚約者は特殊捜査官

『…すまない。琴美ちゃん』

そう言って、頭を下げたのは、


・・・



前園さん。


秀の先輩で、

特殊捜査官の総指揮に当たってるはずの人。

・・・

父からの信頼も、

相当なもののはずなのに・・・


・・・

「・・・何でですか、前園さん」

『・・・』

前園さんは答えようとしない。

・・・

「これを見れば、納得するでしょう」

そう言ってテレビをつけたさきに、

前園さんの奥さんと、小さな子供が・・・


「これは・・・」


「そうです。

前園さんの大事な人を人質にして、

こちら側についてもらった」

「・・・そんな」