「何かのキッカケになればと思って

応募したんだけど、まさか、

デザイン賞をとるなんて、

私もビックリしたわ」

そう言って薫さんは微笑んだ。

・・・

「今夜、アパレル会社高木の

社長室に呼ばれてるから、

行ってくださいね?」


「・・・わかりました」

・・・

デスクに着いた私は、

『高木』と言う言葉が引っかかった。

・・・

手帳にしまっていた、

とある人物の名刺を取り出す。

・・・

やっぱり・・・

アパレル会社高木は。

凌也の会社だ。

・・・

行きたくない・・・