「さっきの言葉に、

ウソ偽りはないな?」


「・・・はい、もちろんです」



「・・・わかった。

じゃあ、私の会社は穂波に後を継がせる」


「あなた?!」

父の言葉に驚いたわたしだったけど、

もっと驚いたのは母だった。

・・・

「私がまだ現役の内に私の会社に入り、

一から経営の勉強をしなさい」

「ちょっと待ってくださいあなた。

穂波が会社の経営なんて、

無理に決まってるじゃないですか?」


「物になるかどうかは、穂波次第・・・

やる気があるなら、

今月からうちの会社に来なさい」


「…お父さん」

どんどん話が進んでいくにつれて、

黙ってみていた浩輔が、口を開いた。


「穂波はうちの従業員です」