■ 「…あっ」 あたしがそんな 思い出に浸っていると、 ブー、ブー、と 振動しながら低い音を 出して携帯が鳴った。 「もしもし?」 『もしもし、 俺だけど。』 携帯の真ん中のボタンを 押すと、聴き慣れた、 あの人の声。 「俺じゃ分かんないよー? 俺じゃあ。」 『俺だよ俺俺~』 「オレオレ詐欺かっ(笑)」 そう、その声の主は、 「遥生でしょ?」 『せーかい。』 幼馴染の、遥生。