――二週間前。
「… あった!
あったよ、遥生!」
「… っ俺も!
俺もあったよ、真生! 」
蕾が花の咲くことをじっと
待っている、そんな様子が
窺える桜の木。
そんな桜の木たちに
囲まれた場所で、
あたし、香坂真生
( こうさかまお )と
幼馴染の鳴海遥生
( なるみはるき )が
手を取り合って喜んでいる。
それには、とある
理由があった。
その場所にある、
大きな大きな
ホワイトボード。
そこには、真っ白な
紙に、ずらーっと黒い
印刷された文字で、
何桁にも及ぶ番号が
記されていた。
――そう、ここは
高校の合格発表の場所。