まだあたしと君が
幼かった頃、あたしたちは
ふたりっきりで、
幼稚園の花壇の前で
約束したよね。


――君もまだ、憶えてる?




「 おおきくなっても、
  なにがあっても、
  まおはずっと
  はるくんといっしょにいる! 」

「 ぼくもずっと
  まおちゃんと
  いっしょにいる! 」




それを見たクラスの
先生が、「 あら、
真生ちゃんと遥生くん、
仲良いのねー 」って
感心してて。


あたしと遥生は
満更でも無いような
表情を浮かべて、
無邪気に笑ってたっけ。


――今じゃもう、ただの
遠い思い出になってしまったけれど。




「 遥生…っ 」




何度君の名前を呼んでも、
もうあの頃の君は居なくて。


静かに部屋に自分の声が
響き渡るだけで、君は
振り返ってなんかくれなかった。




―― 君の傍にずっと
居るだなんてそんな
甘い考え、神様には
通用しないんだね。 ――