■ 「真生ーっ! 遥生ーっ! おっはよー!!」 何だかまだ慣れない、 そんな校門を通り過ぎた瞬間、 元気で明るい、少し 高めな女の子の声。 「愛梨!」 その声の主は、 あたしの親友であり 一番信頼出来る仲間、 桃田愛梨( ももたあいり )。 「おはよーっ、 髪ぐしゃぐしゃだね? 寝坊したの?」 「遥生の仕業ー。」 愛梨の問いかけにそう 答えると、遥生はすっかり とぼけた顔しちゃって、 「えっ、俺何も知らないよ??」 と首を傾げてみせた。