私はしがない執事です



日が段々と傾いてきた頃。
私達は全ての動物を制覇していた。


そんな私達が現在居るのは、入り口近くのお土産コーナーだった。




「やはりサイは可愛いのぅ…」




あ、やっぱりサイなんだ。


此処は動物園だけあってあらゆる種類のぬいぐるみ、キーホルダー、文具用品が置いてあった。




「でも、プチトマトを食べ過ぎて顔が赤くなったというニホンザルも捨て難いのぅ…」




真っ赤な嘘だよ。ゴメンね。


かれこれこの調子で一時間。ずっと此処に居る。


新城さんは何も買いませんからね、と一言言うとどこかへ消えてしまった。


雅ちゃんは分かっておる、と返事をするが、行動と言葉が伴っていない。


新城さんは時たま厳しい。お土産然り、(朝起こさないとかの)雅ちゃん無視然り。


何故、あんなにも他の女性にはスケベ丸出しなのに雅ちゃんは例外なのだろうか?