私はしがない執事です



そんなあわただしい日々が数ヶ月経ち、現在10月。秋の半ばだ。


山の風景もすっかり秋らしく変わってしまった。
ここは四季の変化が本当に分かりやすい。




「今日は皆で焼き芋しましょうか」




新城さんの提案で私達は焼き芋をすることに。
勿論焼き芋は庭の畑から掘ってきたものである。




「焼き芋じゃ!焼き芋じゃ!ルンルンルンルン!」




雅ちゃんはどうやら焼き芋が好物のご様子。
小躍りしている。


落ち葉をかき集め、手慣れた様子でマッチに火をつけ点火し準備していく新城さんに私は見入ってしまう。


……相変わらず器用だよなぁ…この人。




「どうしたんですか?
もしかして私の顔に見とれてました?」



「手つきに、見とれてました」



「照れなくても良いのに」




うざさ全開にしなくても良いのに。