私はしがない執事です



「では、食器拭きと床拭き、コンロの掃除に換気扇チェックとお米研ぎ終わりましたから、私はお風呂に入らせていただきますね」



「いつの間に!?」




私が食器洗うのとほとんど同時に終わりやがった。
同時に終わらなかったのは、私の最後の皿一枚分残ってたからだ。



彼の早業は今に始まったことではないが、それでも毎回驚いてしまう。





ポカーンと新城さんを見つめる私に一言彼が言った。




「ん?どうしたんですか?
あ、私と一緒にお風呂に入りたいんですか?

仕方ありませんね…
ついに瑠璃さんにこの肉体美を解禁することに…フフフ…益々瑠璃さんは私の虜ですね」




勘違いも甚だしい。




「る、瑠璃殿と一緒に風呂だと!?
妾でもまだした事ないのに!己新城…一回海に身を投じれっ!」




いつの間にか雅ちゃんがやって来ていたようで余計に話がややこしくなってしまった。


雅ちゃんが私のエプロンの裾を握り、妾も!妾も!とせっつくので新城さん抜きで二人で入りましょうねーと言えば彼女は可愛い笑顔を返してくれたのだった。


とりあえず新城さんが私は?という目をしていたので、背中に蹴りをお見舞いして追い出しておいた。