黄金時間が過ぎるまで

興奮冷めやらぬ千歳を落ち着かせるため、鳴海は座れそうな所を探した。

「いや、ま、とりあえず座って座って…」

そう言って自分も横に座ると、屋上の壁に寄りかかった。

「千歳…さっき、さえちゃんに会った?」

千歳がコクリとうなずく。

「そう…彼女ね、千歳に帰ったんだよ」

「うん…それは分かるような気がする…けど…なんで鳴海に抱き着きたくなったのか分からない…」

鳴海は、ああその事ね…という顔をして、先ほどのさえとのやり取りを話した。

「さえちゃんの意識が強くて…体を借りられたんだと思うよ、たぶん」

「はぁ…」

千歳はだいぶ落ち着いてきたが、まだ余韻が残っているらしくボンヤリと答えた。

「さえちゃん、ちゃんと君に戻れて良かったよ…残留思念が意思を持っちゃって、どうしようかと思ったけど…」

頬杖をつくと、鳴海は一息入れた。

「自分のせいだからね…責任感じてたって訳…」

「?」

事情が良く分かっていない千歳に、分かりやすく鳴海は話しはじめた。