黄金時間が過ぎるまで

「…さえちゃん、帰ったんだね…良かった、ちゃんと戻れて…」

ぽんぽんと千歳の頭を叩くと、背中に手を回した…

「まさか、この手でくるとは思わなかったよ、さえちゃん…千歳がビックリしてるじゃない…」

鳴海は千歳の中にいる、さえに話しかけた。

″えへへ…″という笑い声が、聞こえた気がする…

″バイバイ、お兄ちゃん…″

薄れゆく意識の中で、さえは最後の挨拶をした。       

「バイバイ…」

鳴海はしばらくそのまま、さえとの別れをかみしめていた。

″思えば、おかしな学園生活だったな…″

           

 
「〜〜な、なるみ〜〜〜」

どれぐらいそうしていたのか…
うめくような声がして、千歳が頭を上げた。

鳴海は千歳と目が合うと、回していた手を外して後ろに離れた。

「あ、ごめん」

千歳は首を横にふり、

「それより…これって何が起こったの…?」

まだ涙がポロポロこぼれるまま、鳴海にたずねた。