それを見て鳴海は、満足げに笑うと言った。

「こほん、でわ、花火にカンパーイ♪」

お互いの缶を打ち合わすと、一気にそれを飲み干した。

「はーーーっ」

鳴海は美味そうに、ビールを口にすると言った…

「この一杯のために、生きてるって感じ」

「あはははは、なんじゃそれっ」

千歳は陽気に笑って、突っ込みを入れた。

「夏はこれに限ります、それと花火ね」

「ははは…なるほど」

まぁ…学生(未成年)である事は、ひとまず置いておこう…と千歳は苦笑して、納得する事にした。



夏は夜…とは言ったものだ…ほんの少し冷えた風が通ると、暑さを忘れさせてくれる…

目の前に惜しみなく打ち上げられる花火を見ながら、冷えたビールとおつまみ…

鳴海にとっての至福なんだそうだ。

″夏は夜か…なるほどね…″

千歳はカクテルを一口飲みながら、夏も悪くないな…と思った。