黄金時間が過ぎるまで

「ええ…それが分かっているから、静時君も文句が言えないのよね…それにお兄さんには、やりたい事をやめて欲しくないみたいだし…」

「つらい所ですね」

「本当ね…」

里美はお茶を入れ直すために、ゆっくりと立ち上がった。

「もう一杯どう?」

「あ、いただきます」

保健室から見える空から、雨が降り出していた。

「ところで先生、大丈夫ですか?」

「え、何が?」

「私に話したりして、バレたら怖そう…」

「…不吉な事を言うわね、フフフ…それはでも、全て千歳さんの演技にかかっているのよ?」

「え?!」

要は、千歳が知っている事を、悟られなければいいのだ…

「千歳さんなら大丈夫、大丈夫」

何を根拠に、大丈夫なのだろうか…

「あ…でもバレたら、どんな目に合うか知れないから、がんばってよね」

「そんなに怖いんですか?鳴海は…」

「そーよ、この間なんてねー」

里美が話し出そうとした時、ノックが鳴り、二人はビクリとした。