里美が仕事をしていると、女生徒が机の横に来て頭を下げた。

「もう大丈夫なの?顔色悪いわよ、千歳さん…せっかく来たんだから、ゆっくりしていけばいいのに…お茶入れるけど?」

里美はニッコリと笑って、千歳をお茶に誘った。

「…いただきます…」

休み時間終了のチャイムが鳴った。

千歳は教室に戻るタイミングを逃してしまい、大人しくイスに腰かけた。

「コーヒーでいい?」

「あ、はい」

「ここに来るのは初めてね、千歳さん」

「わりと健康なので…」

カップを受け取り両手で持ってみると、冷えた手に体温が戻っていく…

一口飲むと、気分も良くなっていく気がした。

「一度お話してみたかったのよ、千歳さん」

「え、どうしてですか?っていうか、どうして私の事知ってるんですか先生…」

「フフフ…どうしてかしらねー、あなたが静時君と、良く一緒にいるせいかなー」

「静時って…鳴海の事ですか?」

「ピンポーン♪私と静時君は知り合いなのよー」

「ああ…それは知っます」