「…前半の質問はフェイクじゃない…これ本当に当たるの?」

「さぁ…どうでしょ?」

あいまいな鳴海の答えに、千歳は改めて背後を見直した。

「でも、本当だったら面白いで…」

と鳴海は言いかけて、千歳が凝視している方を見た。

一体いつからそこにいたのか…?

二人の間にある机に頬杖をついて話を聞いている、7・8歳の少女が千歳を見て笑っていた。

「?!?」

「…やあ、さえちゃん…また後でいいかな?」

固まっている千歳を無視して、鳴海は優しく微笑んだ。

「うん、じゃ、またね」

すくっと立ち上がると、さえと呼ばれた少女は、そのまま廊下の方へと行ってしまった。

机も壁も通り抜けて…

「…千歳、大丈夫?おーい」

鳴海は千歳の目の前で、手をヒラヒラさせた。

「すすす・透けてたよ、あの子?!?」

「うん、残留思念だからねー」

フーッとため息をついて、鳴海はあごに手を当てた。