「…なるほど、分かりました。以上?」

「うん」

全ての質問を終えると、鳴海は黙り込んだ。短い緊張の間が出来る…

二人の他に誰もいない放課後の教室で、千歳は廊下側の壁に背を向けて、後ろの座席の鳴海から答えを待った。

鳴海は頬杖をつき、イミありげな笑みを浮かべている…

「…今の質問で、何が分かるかと言うとね…最後に入って来た人がいるでしょ?」

「うん」

「その人はね…」

鳴海は千歳の目をとらえると、口早にこう告げた。

「あなたの背後霊です!」

「え?!」

千歳は反射的に、後ろをふり返った。

誰かがいたような気がした瞬間、全身の毛が逆立った。

「ゾクッと来たよ、ゾクッと!」

「でしょ、でしょ、来るでしょ?」

「うわぁ〜」

千歳は鳥肌の立った腕を、鳴海に見せた。

「あははは…わりと面白いでしょ?これ」

…鳴海がね…と千歳は心の中で呟くと、笑っている鳴海を睨んだ。