「…あなたは車を運転しています。とても広くてまっすぐな道路です…周りは、どのような風景ですか?」

「うーん草原」

「では…その草原を気持ち良く運転していると、アップダウンの激しい丘に差しかかりました」

「うん」

「あなたは、だんだん気分が悪くなってきました。休もうと考えていると、右手にポツンと建っている建物が目に入り、そこに車を止める事にしました…それは、どんな建物ですか?」

「えーっと、小さなログハウスみたいなの」

なるほど、と鳴海がうなずく。

「…あなたはそこで休ませてもらおうと、扉をノックしました。いつまでも返事が返って来ないので、ノブを回すと鍵はかかっておらず、誰もいない部屋にはイスが一つ置かれているだけでした…あなたは、とても気分が悪かったので、イスにかけて休ませてもらう事にしました」

「うん、それで?」

「…しばらくすると、気分が良くなってきました。その時です…あなたの後ろの扉が開き、誰かが入って来ました…それは、誰ですか?」

「…男の人…」

「出来るだけ詳しく…」

「若い…二十歳くらいの人で、色白でね…黒いライダースーツ着てるなぁ…」