俺の隣で、長い脚にストッキングを纏っていくサキさんを見つめながら。

そのペディキュアの色を知っている男は、俺の他にもいるのだろうかと思う。

だって。
酔い潰れた部下を部屋に入れてあんなことした上に。

セフレになって欲しい、なんてバカげた頼みまで快諾するようなあなたなら。

俺みたいな男が他にいたって不思議じゃないから。


「そうそう。
和田くんの企画書、誤字脱字だらけだったから訂正しておいてね」

サキさんは必要ないくらいキレイな顔に化粧を施しながら、さらりと言った。