身勝手な彼女と、都合のいい俺(短編)

驚いて振り返ると。

サキさんは俺たちから視線を外して、部長と会議室に消えて行った。

もしかして。
今のって、俺に対する嫉妬?

予想外のサキさんの反応に、面食らっていると。

「あの噂って、本当なんですか?」

急に声を潜めたユミちゃんの言葉に、ドキッとした。

「噂?」

まさか、俺とサキさんの関係がバレたのだろうか。

内心の焦りを隠して聞き返すと。

ユミちゃんから返って来たのは、想像もしない言葉だった。

「もちろん、葛城主任と小泉部長がデキてるって噂ですよ」