キーンコーンカーンコーン…

授業が終わった。いそいで匠のところに行こうとして、雅也とぶつかった。

「行ってらっしゃい。」

雅也は優しく声をかけた。

「うん。」




**********皆が居なくなって…**********

ガラガラ…

誰かがドアを開ける音がした。

匠だ。


「あの…さ。」

しばらく沈黙が続いた。

「昨日の事、ありがとな。」

匠は柚に言った。

「ううん。私こそ、見栄はっちゃって、ごめん。」


だが、「もう一回やり直さない?」の一言が言えない。


「だからさ、俺、柚ともう一回やり直したいんだけど。」

ちょっと怒り気味で言った匠は、顔が真っ赤だった。

「うん…。もう一回やり直そ。」

「んじゃあ、またな。」

そういって、匠は出て行った。