「おはよう、松山さん。」 校門の手前で、後ろから声をかけられた。 ゆっくりと振り向くと、草壁先輩が立っていた。 “あんまかかわるな” 幸兄の言葉を思い出す。袋を渡せなかったという後ろめたさよりも、早くここから、立ち去りたいという気持ちの方が強かった。 「ごめんなさい。幸兄に渡したんですが、受け取ってもらえませんでした。」 鞄から、昨日預かった袋を取り出して、勢いよく頭を下げる。 草壁先輩は、そうっと言いながら差し出した袋を受け取った。ごめんなさいともう一度言って、その場をさった。