「髪の毛ボサボサですよ。さゆきさんは、女の子ですか?」 後ろから聞きなれた声。人を小馬鹿にするこの声の主を私は知っているけど無視だ。ムシ。そうあれは虫の声だから。 「また寝坊ですか?さゆきさんは何歳ですか?」 ・・・ムシムシ 「かわいそうに、目覚まし時計のセットの仕方がわからなかったんですね。」 ムシムシムシムシムシム・・・・ 「僕が、教えてあげましょうか?」 「うるさい!!幸兄っ!!」 勢いよく振り返って、幸兄こと竹田 幸助を思いっきりにらむ。幸兄は、にやりと笑いながら私を見る。