「ねぇ?
爽くんって呼んでいいかな?
僕のこと、優って呼んでくれて構わないから!!」

「どうぞ、ご自由に。」

優に名前で呼ばれるのは
悪い気がしなかった。
女達に呼ばれるのは、あれほど嫌だったというのに。

いよいよ、クラス表が貼り出されたようだ。
優は、僕の隣で一生懸命見ようと
背伸びするも全然見えていない様子で
僕に尋ねる。

「爽くん!!
僕クラス表見えない!!
代わりに見て欲しいな?」

「わかりました。
えー・・・と、僕と優さんはS組ですね・・・。」

「わっ!!
一緒だ!!一緒だよ、爽くん!!」

優は大騒ぎ。
でも、急に真面目な顔で言った。

「爽くん、
今・・・優さんって言ったよね?
しかもまだ敬語だし・・・
そろそろ敬語は・・・」

「嫌です。
僕は、敬語も[さん]付けもやめるつもりはありません。あきらめてください。」

「えええ〜!!」

優は少しふてくされながらも
僕とクラスが一緒で嬉しいという感情をあらわにしていた。

「じゃあ、教室行こっか!!」

その優の判断で教室に行くことにした。