「あなたの座っている所、花が押しつぶされています。
もっと、植物を大切にしたらどうですか?」

僕がそう言うと、

「あ・・・・・。」

彼はそう言って固まってしまった。
僕は、自分はなにやってんだ・・・と思った。

彼はやっと口を開いた。
やはり、そこに花があったのを気づかなかったらしい。

そして、
彼は立ち去ろうとした僕に、友達にならないかとまで言った。
その言葉に心底驚いたが、
僕も中学時代の自分から抜け出したいと思った。

僕の応え。

「友達になりましょう。」

彼は、少し嬉しそうに

「ありがとう!!」

と言った。
こんな和やかな時間を過ごしたのは
初めてだった。嬉しく思った。

「ぼ、僕、小塚 優!!
同じ1年生なんだ。よろしく!!」

ご機嫌に自己紹介され、
僕もつられて自己紹介する。

「僕は河岸 爽です。
よろしくお願いします。」

「はぁ・・・
河岸くんと同じクラスがいいなぁ・・」

彼が唐突につぶやいた。
声には出さなかったが、
僕も同じことを考えていた。