僕は小塚 優。
これから、逢ノ高校入学式へ向かう。

逢ノ高校は私立なのだが、
全寮制で学費も毎月1万円と安い。
さらに、入学金は15万円と
他の高校に比べ、格段安い。

この高校はすごいと思う。

こんな安い授業料と入学金で
大学のキャンパス並みの施設を経営しているのだから。

この高校の学長は増岡 紅旗先生。
そして理事長は増岡 健輔先生。
この二人は親戚らしく、親しいらしい。

入学式まで時間がある・・・が、下手に動き回って迷子になるのも嫌だ・・・。
そう考えた僕は、近くの花壇の脇に座ることにした。

僕はこの高校の入学式に全人生をかけてきた。
その理由・・・それは、
生まれ持ったこの女顔と背の低さによって女子には女の子扱い、男子には恋愛対象にされ、全くと言っていいほど友達がいなくて寂しかった。
そして、その時【高校に入ったら、絶対に彼女と男友達を作る】という目標を立てたからである。