「本当の衿華のことを知ってる人って、あの…保健医の先生以外にいないわけ?」


そうそう、

よく相談に乗ってもらっている桜井先生のことも紗希はよく知っている。


逆に言えば、桜井先生も紗希のことを知っている。


それは私がよく話に出すからなんだけど。



「そんなのいるわけ…」


あ。


「衿華?」


いるわけないじゃん。

そう言おうとしたけど……いた。



「お待たせいたしました。アラビアータお二つですねー。」



タイミング悪く
店員さんがランチを運んできた。


軽く会釈をすると
また店員さんは他の注文を受けに行ったようだった。



「で、誰なの?」