うちのクラスの女の子たちも
織川を囲む輪の中に加わる。
集会とか…学年、学校全体で集まるときには
いつでもこんな感じ。
織川とクラスが違う子たちは尚更
必死で彼をこの場を使って口説こうとする。
私はというと
黄色い声をひたすら浴びる織川に
一目もくれず
その横を通り過ぎていく。
こんなに騒がれて
可愛い女の子たちに誘われても
「ごめんね、今日は委員会あるから。」
こうして
いつも理由を付けて断る。
なるほど…今回は委員会ね…。
興味がないながらも
ふと聞こえた織川の台詞に
思わず笑みが漏れる。
″優しくて真面目でかっこいい王子様″
なんて
気前のいい勲章をつけてるけど
あいつには裏がある。



