「…衿華!わわ私ちょっと用事思い出したから帰るねっ」
それだけ言い残して、私は逃げるように走った。
な…なんか、めちゃくちゃ情けないな私…。
けど…親友のラブシーンとドラマのラブシーンを見るのとでは訳が違うでしょ?
娘を嫁に出す気分って…なんとなく今ならわかる気がする。
「はぁ…」
最寄り駅の前で立ち止まり、近くのベンチに腰をかけた。
あ…とりあえず衿華に誤っておこう……
ブレザーのポッケからケータイを取り出して操作する。
え…っと……さっきは、ごめんね…と。
「あれ、何の用事だったんだっけ?」



