それは私が無理して『楽しい』って答えていたときよりも、屈託のない笑顔だった。 なんだ...私こそ、無理しないでよかったんじゃん。 「いってきます。」 「いってらっしゃ~いっ」 小さく手を振って家の扉を開けて外に出る。 秋の紅葉が遠くに見えた。 ウキウキとワクワクを持ち合わせてマンションの階段を駆け降りる。 「あ...」 エントランスで不機嫌そうな顔をしている一人の男の子。 「織川っ!」 「...あ。」 ヒールで音を立てながら駆け寄る私に気付いて、こちらを向いた。 私の彼氏。