舞台の階段の前に立つと、緊張で頭が真っ白になった。
「頑張れよ。」
ニカッと笑うピエロさんは、私に一本のマイクを手渡した。
深呼吸一つ、二つ...。
心臓、破裂しそうかも。
「ふぅ...」
私は足を持ち上げて、一段、二段と階段を上る。
この時点でもう、私は注目の的だ。
大丈夫。平常心、平常心。
心臓の場所を押さえて、心の中でそれだけをおまじないのように唱える。
舞台の中心に立つと、予想以上に多くの人が私を見ていた。
わざと視線をたこ焼き屋の方に向けて、気持ちを紛らわせる。
伝えるんだから。ちゃんと、聞いててよ。



