【完】素直になれよ。






「ちょっと...痛いってば...」



「何された」


俺は抵抗する久留米の言葉を遮った。



「...え?」



「さっき、優子とかいう女たちとすれ違ったんだよ。...何された?」



そう聞くと、久留米の身体は小刻みに震えた。



「別に...大したことじゃないし、もういいの。」


「―――――...」


「優子も...みんな、李奈になにか言われたんだと思う。私が織川を奪っただとかなんとか...。だから、もういいの。」




俺はただ黙って聞くことしかできなかった。


もっと早く来れば...お前のこと、守ってやれたのに。





「それに...李奈はちゃんと私に全部、言ってくれた。

本当になんとも思ってなかったら、あんな風に自分から悪者になったりしないでしょ...」




お前、すげーな...。


密かにそんなことを思いながら、俺は腕に力を込めた。