「李奈のこと嫌いだけど、大っ嫌いだけど!!!!……感謝だってしてる…っ。」
久留米は泣きじゃくりながらデカイ声だしてるから、きっと聞こえてない。
けど俺はかすかに動く唇とか細い声で気づいた。
いまあいつ、あの女、「衿華…」って言った。
「孤立してた私を…一度でも友達にしてくれて、ありがとうございました…!」
目の前で久留米の背中が折れる。
…おじぎなんて、意外と律儀だなお前。
「衿華!」
「えっ…」
今度は聞こえたんだな。
久留米の頭がひょいっと上がる。
後ろの俺から表情は見えないけど、きっと…絶対驚いてる。
「ブァーーカ!!!」
女はそう叫ぶと、後ろを向いてまた歩き出した。
「なーんてね…」
女が歩きながらそう言って、涙を流していたことは、
俺も久留米も気付かなかった。



